明日は会社休みます。

仕事を続けながら休日に旅をするOLのブログです。

2日目@信越トレイル

9月20日(日)

3:00 起床

5時に出発したいと思って3時に起きて朝食作り。

前回はここでしくじった。5時に出発するつもりが5時に起きてしまったのだ。

食後に服を触ってみたらまだ湿っている。

タイツもズボンも1枚しかないので、半乾きのまま履いた。

靴下は替えを履いたけど、絶望的に濡れている靴を履いたら意味がない。そして、濡れた靴は足がふやけて靴擦れになり、歩けなくなる可能性もあった。

前回は靴が重くて大変だったので、今回は軽い靴を選んだが防水ではなかったのが悔やまれる。嗚呼この日の為にKEENピレネーを買っておけば良かったと、昨日も歩きながら何度思ったか!

この濡れた靴を履きながらも靴下を濡らさない画期的な方法が1つだけあった。

靴下の上にビニール袋を被せ、それから靴を履くのだ。

ただし、靴の中ではビニールが滑って足を捻ったりする可能性があるので安定性にかける。

濡れた靴を履くのが嫌だったので、苦肉の策でチャレンジすることにした。

朝食を食べて荷物をパッキングしていた時、持ち上げたザックの重さに驚いた。

「あれ?食料は減ったのに昨日より重くなってる?」汗だくになった衣類、特に分厚い靴下が入っているのでそれもそのはず。

まだテントも撤収してないのにこんなに重かったら、テントを入れたらどんな事になってしまうのか・・・

出発の時間だったがまだ辺りが暗かったので、パッキングした寝袋を引っ張り出してもう一度うとうとする。

テントが朝露で濡れていたので、持って来ていたタオルで拭いたが、乾いている時よりもズーンと思い。

これで今日一日歩けるのだろうか?

 

6:00 野々海キャンプ場出発

トレイルの入り口でトレランの2人組に会った。いきなり天水山方面のトレイルから出てきてびっくりした。熊かと思った。

トレラン組は逆ルート側へ見る見る間に消えていなくなった。

 

7:10 6-5分岐

ザックが重い。死にそう。もう帰りたい。

でも、大好きな人の励ましを思い出して頑張った。

前回来た時には歩けなかったトレイルを歩いているのは楽しいし新鮮だった。

天気も良い。風もなく、良いトレイル日和だ。途中、中途半端な場所で休んでいる時、後方からガサガサと葉っぱの揺れる音がしたので「熊か!」と思って身構えたけど、昨夜キャンプ場で会ったソロ女性だった。咄嗟に腰の位置にある熊除けスプレーを出す事ができなかった。良い訓練になった。

 

8:10 6-3分岐

ザックが重い。死にそう。もう帰りたい。大好きな人に甘えたい。ちやほやされたい。

昨夜の大好きな人の励ましを思い出すも、これから先にあるエスケープルートを地図で確認してしまう私。下るなら宇津ノ俣峠だ。

心は既に下山の方向に傾いている。ザックが重い。でも、景色は最高。歩くのは楽しい。

平坦な道や上りは良いが、下りとなると靴の中で足が滑ってとても危険だ。

踏ん張ろうにも踏ん張れず、細尾根では滑落し兼ねない。

下りの時には足の指がギューッと靴のつま先に移動するので、足の指も痛い。

途中にとった長い休憩の時、靴下の上から被せたビニールを取り払った。

 

11:10 宇津ノ俣峠

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峠とは言ってもトレイルの標識以外は何もない場所だった。

前回の時にはなかった膝や腰の痛みはない。

しかし、このザックの重さ。

ここで下ったら飯山の森の家方面に下山することができる。

2~3日早く大好きな人にも会える。昨夜電話で話したことで励まされたけど、余計に会いたくなっている。

エスケープルートを進むことに決め、1分も歩かないうちに草ぼうぼうのクモの巣だらけの道に怯む。

このエスケープルートを進むくらいなら頑張って歩いて今日の目的地であるグリーンパルへ行った方が得策なのではないか?

10分程悩み、やはりエスケープルートを下る。

このエスケープルートが大変だった。途中、小さな川を渡ったり、道を見失ったりして、何度も「本当にこの道で合っているのか?」「エスケープルートで迷ったりしたら、いよいよ今日はビバークじゃないか・・・」不安になりながら歩いた。

 

12:00 宇津ノ俣峠登山口着

広い畑に出た。畑以外何もない。

畑の隅っこを歩き、アスファルトの道に出る。

日陰もない乾いた道をひたすら下っていく。人もいなければ車も通らない寂しい道だが、秋の心地よい風が吹いて気持ちが良い。

何度地図を見直しても本当に自分は森の家に向かって歩いているのか不安になってくる。

道を聞こうにも誰もいない。

地図は見ているが、もはや勘で辿り着こうとしている。

誰の声も聞こえてこないが、とぼとぼ歩いていたら前方にマウンテンバイクに乗る親子が見えた。

 

12:45 飯山森の家着

中途半端な時間だったので森の家は静かだった。

観光客がぼそぼそと話している。

受付で野々海キャンプ場の使用料(¥1000)とトレイルの協力金(¥1000)を支払う。

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「2回目の挑戦だったけど、今回もダメでした。荷物が重くて。やっぱり私にはスルーハイクは無理なのかな」と言ったところでこぼれてきそうな涙をグッと堪えた。

受付の方の、変に励ましたり同情したりすることなく、私のがっかりを静かに受け止めてくれたのが良かった。

ここから飯山駅までのバスがあるが完全予約制となっており、出発時間の1時間前までに予約をしなければならないと言う。

次のバスの時刻は14:30だったので、バス会社に電話をして予約を入れた。

今日泊まる予定だったグリーンパルに電話をして、リタイヤした事を告げると、電話に出たおじさんが「また挑戦してください」と言ってくれた。グリーンパルへ送った荷物は着払いで自宅へ送ってもらうことにした。

カンカン照りの外のベンチに座ってリンゴジェラートを食べ、それでもたっぷり時間があったのでバスがくるまでお昼寝をした。熟睡だった。

バスと言ってもワゴン車で、飯山駅まで乗客は私だけだった。

近いようで遠い。バスは1時間弱で飯山駅に到着。着いてから車内で料金(¥770)を払った。1時間以上バスに乗り、乗客も私だけなのにこんなに安くて申し訳なく思ってしまう。

駅に停めてあった車に乗り込み、駐車料金(¥600)を支払った。

温泉に入って帰る気もせず、ただただ眠かったけど下道で帰宅。

後日、ハイクで食べる予定だった自作のトレイルミックスは甥っ子や姪っ子にあげたら喜んで食べていたらしい。

 

9月22日(火)

大好きな人に会って「ゴールできませんでした。今回はいけそうな気がしたのですが、荷物が重くてリタイヤしてしまいました」と伝えたら「そっか」と言って「日曜日に帰って来ていたら連絡してくれたら良かったのに」と言ってニッと笑った。

そうそう、私はこの笑顔に会う為帰って来た。後悔はしていない。

本当は1人で歩くより2人でイチャイチャしていたかった。

電話で話していた、無事に踏破できたときに「考えておく」と言っていたご褒美は何だったのかまだ聞いていない。

それはいつかゴールできた時に知りたい。