シャワークライミング(沢登り)
2010年7月
10年前の7月の暑い日、秘密の場所で沢登りをした。
今となってはシャワークライミングというお洒落なネーミングのアクティビティだが、私達はどちらかと言うと沢登りという方が合っていた。楽しいだけではない、ほぼ垂直の崖をよじ登ったりしたのだ。死ぬかと思った。
足元もお洒落なシャワークライミング用の靴など持っていないので、ワークマンで買ってきた職人さんが履いてるような足袋の上に藁草履を履いた。
滑床はつるりんと滑るので、シャワークライミング用の靴の裏はフェルト生地になっている。藁草履も全然滑らなかったが、結び方が難しい。
アタックザックの中身が濡れないように、カメラなどは全てSEATOSUMMITの防水バックに入れた。
防水バッチリで軽いので、普段ジムに行く時や山行にも使っている。
登山用のヘルメットを被る。
激しい流れだけではなく、穏やかな川をてくてく歩くこともある。暑い日に足元だけでも水に浸っているとすごく涼しい。
お昼を食べたり休憩中
この後、死にそうに怖い崖をよじ登っていくことなど想像もしていなかったので、滝の前で満面の笑みでピースする私。バカめ・・・
この脇の崖を登っていく。登る前に、S氏が言った。「落ちたら死にます」
しかし、リーダーのS氏は山のプロなので安心。ロープワークもお手の物。後に続く山の師匠も私が怖がらないように声をかけてくださった。捕まるのは地面から生えているクマザサだったり木の根っこだったり。とても怖かった。死ぬかもしれないなと思いながら登った。
死ぬかもしれない崖をよじ登ったりしつつも、全員無事に帰還した。
あんなに怖い怖いと思いながらクマザサにしがみついたりしていた私だったが、暑い夏の沢の気持ちよさに魅了され、翌年も同じ場所へ沢登りに来てしまうのだった。
しかしそれはリーダーのS氏との信頼関係も構築されていたからだったと思う。信頼のおけない人とあのような危険な崖を登ることこそ危険だ。
危険な山は命を預けられるような人とでないと行きたくないなと思った山行だった。