黒百合ヒュッテ(下山)@八ヶ岳
新型コロナの影響で不況の波が押し寄せてきている。
不況はリーマンショックや東日本大震災の時より酷くなるだろうと言う人もいる。
リーマンショックの時に不況だということはさほど感じなかった。何となく他人事のような気がしたし、私自身がそれまでと違う生活になったかと言われればいつものように質素な生活に変化がなかったのだ。
しかし、今回はあの時と違う気がする。
マスコミに煽られて必要以上に怖がるのは良くないが、「自粛」という言葉はこれほどまでに経済を麻痺させてしまうのか。
明日には職を失っているかもしれない。
そうなったらそうなったで、開き直ってやりたいことをやる良い機会かもしれない。
図太く逞しく生きていける術を持っていれば、世の中が不況だろうがあまり関係ないかもしれない。
2月24日 連休3日目
6:30 起床
いつも6時半に目覚ましが鳴ってもなかなか起きられず、結局7時頃になってようやく起きるのに、ひきこもっている時に限ってキッチリ時間になったら目が覚めてしまう。
本日はひっきーなのに、目覚ましなしで6時半に起きた。昨日から食べて寝てしかしていないので当たり前。
いつも携帯をフル充電してきても寒さでバッテリー容量が無くなってしまうので、今回は肌身離さず、常に人肌で温めるように心がけていたので朝の時点でも充電はバッチリ。
昨日あんなに食べてばかりいたくせに、夕飯を17時前に食べてしまっていたのでお腹が空いている。
早速作っておいた雑炊を食べようとしたが、案の定凍っていたので解凍するところからスタート。
カチカチに凍った雑炊に水を加えたので、こんぶ茶(顆粒)を足したらちょうど良い味になった。富士急ホテルに泊まった時に朝食で出ていたので、個包装ってなかなかないし、テン泊で使えそうだと思って早く使ってみたかったもの。
雑炊はとろっとしているからか、食べたら普通のホットドリングより体がいつまでもぽかぽかしていたように思う。
食後のインスタントコーヒー。甘いのとブラックを持ってきていたが、甘い方をチョイス。
昨夜は寒くて22時頃と夜中の2時頃に起きて湯たんぽを温め直した。
湯たんぽの温度が下がってくると体も冷えるから、温めているのにいつまでも足が寒いという夢を見て目が覚めたりした。
以前、シュラフカバーをしなかったら寝袋が結露で濡れてしまった事があったので(いつ、どこの山だったのかは覚えていない)、今回は面倒臭がらずにシュラフカバーを持ってきた。空気の層ができるので温かさが増すような気もするし、結露で寝袋が濡れるってこともなく快適だった。
朝食を食べ始めた頃からテント内の凍っていた結露が融けてきてぽたぽたと天井から落ちてくることがあった。
テント内の結露を拭くタオルを忘れてきていた事を思い出す。
結露を拭くタオルだけではない。顔を洗った時に拭くタオルすら持ってきていない。
小屋で手ぬぐいを買おうか?でも一番安いのでも800円位はしていた。結露を拭く為だけに今後使わないであろう手ぬぐいを買う?いやいや、家に使ってない手ぬぐい何枚あるんだ・・・。
テント内を拭かずに畳んで持って帰る?いやいや、少しでも重いのは避けたい。
テント内を拭いても抵抗なく今後も使える物を探した結果、mizunoのブレスサーモの手袋が選ばれた。
今まで使っていた手袋でテント内の結露を拭き、替えの手袋で下山することにした。
8:20頃から撤収を開始し、8:30頃には下山の準備が整った。
さようなら、私のこもり場。さようなら38のプレート。
天気が良く、風もない。
やっぱりアタックザックを持ってきてちゃんと天狗に登っとけば良かったかな。帰る時には少し後ろ髪引かれた。それぐらい晴天で無風。
今日もありがとうの八ヶ岳ブルー。
38のプレートを返しに小屋に寄った。
昨日は人でごった返していた小屋にはスタッフの人しかいなかった。
登山客は皆、下山か天狗に行ったのだろう。
小屋ではアイゼンやピッケルの貸出もしている(各¥1000)。
小屋での休憩は1人¥250
お茶・かりんとう付きで¥300
小屋泊の人達が食事をしたり登山客が休憩する座敷。
昨日は気付かなかった売店のドアの鳥。
トイレは1回¥200
小屋に泊まる人、テン泊の人は無料。
9:30 下山開始
登ってきた時には気付かなかった茅野の町並みが見えた。
下り初めて10分位すると、ヘリコプターがやってくる音が聞こえた。
誰か滑落したのだろうか?
ヘリは見えなかったが、しばらく立ち止まって耳を澄ましていたらホバリングしているようではなさそうだった。
遭難者を探しているのか?
ヘリの音はすぐに遠くなっていった。
次の日、新聞で石川県から来た50代の女性ソロ登山者が遭難しているという事を知った。女性は土曜日に唐沢鉱泉から入山し、天狗に向かっていたらしい。たが、その日小屋へ来る事はなかったとのこと。女性は25日の捜索により樹林帯で発見されたが、遺体となって収容されたと26日の新聞に出ていた。ビバークした後もあったらしい。
土曜日はとても天気が荒れていたはずだ。私が入山した日曜日だってお昼頃になって晴れてきたが風が強かった。土曜日はホワイトアウトになることもあったかもしれない。恐らく道に迷ってしまったのだろう。
うさぎの足跡がたくさんある場所を発見。昨日はなかったと思ったが・・・
渋の湯方面へ下る。
一番苦しいのは多分この急登。
最後の道しるべを過ぎるとき、道しるべの前に立っている人がいたのであまり確認しないで歩いて来てしまったが、こっちの方で良かったかな?と不安になりながら10分位歩いていた。
まだ早い時間だし、間違っていたら引き返そう。登ってきた人とすれ違う時に確認してみようと思うも、なかなか人が登ってこない。
2人組の年配の男性が登ってきた時に確認したらこの道で間違いないらしい。あと5分位で渋の湯ですよ、と言われた。
今回は厳冬期でも大勢の人が登ってくる場所だし、問題ないだろうと高を括って地図を持ってこなかった。こんなことをしていたら、いつか私も遭難してしまう日が来るかもしれない。気を引き締めていかなければ。
10:30 渋の湯の建物が見えたときはほっとした。
温泉(日帰り入浴:¥1000)に入って帰ろうと思っていたが、ルールで固められた館内を思い出し、また怒られたくないなと思って温泉には入らず。
今回も無事に下山できたが、これを当たり前に思ってはいけない。
茅野駅行きのバス(低公害車両)。バスでもここまで来れるのってすごい。
バスより先に出発したいなと思って急いでアイゼンを外して車に乗り込んだけど、いつの間にかバスは出発していて途中で追いついてしまった。
昨日の道路の雪は解けていて、下りの運転も怖くなかった。
とりあえずは雪山での私のひきこもりは食って寝てを満喫できたので大成功といったところだろう。
しかし、ひきこもりする為だけに駐車場代(¥2000)とシャバ代(¥1000)がかかっているのはバカだった。環境は最高だが・・・。
水はプラティパスに1リットルとLAKENの850mlを持って行き、2日で全部使い切った。湯たんぽの時だけ雪を溶かして使った。
朝食用に食べようと、入山前にセブンで買ったクロワッサンとおやつのスティックポテトは手を付けずに帰ってきたが、それ以外は完食。
以前に比べて持ち帰る食料が減ってきたので、食糧計画が上達してきたかなと思うが、山ではもう少しお腹を空かせることも必要かもしれない。