黒百合ヒュッテ@八ヶ岳
思っていただけで、実際当日の気持ち次第では行きたくないということにもなり兼ねないので宿の予約などは一切取っていなかった。
そうこうしているうちに新型コロナがいよいよ広まってきて、旅行どころではなくなってきた。
でも、家でじっとしていたくない。
気持ち的には引きこもっていたい。
そんな私の中2病的贅沢な悩みを叶えるべく、真冬の八ヶ岳で雪中テン泊してきた。
合言葉は「何もしない」
さて、お外で引きこもりは可能なのか否か?
2月23日(日)連休2日目
帰宅してからの道具の後片付けを考えて連休初日に行こうと思っていたが、あいにく天気が悪そうなので予定を変更し、連休2日目に出発。
前日にホットサングリアを仕込んだりして時間の余裕はできた。
家にあった赤ワインにオレンジジュース、冷凍庫にあった冷凍のカットマンゴーを入れ、シナモンと蜂蜜を投入して温める。沸騰寸前に火を止めようとしたのに、色々忙しくしていたら見事に沸騰させてしまった。
色が濃い~過ぎて全容がつかめないが、棒がシナモン、うっすら見えているのがマンゴー。
つまみに花畑牧場のモッツァレラチーズ(プレーンとスモーク味各¥100)
生クリームチョコ
安くて美味しいので、最近お山に行くときは必ず持って行く。
オリーブ
生ハム
テン泊で朝食に食べようと思っていたシャウエッセンドッグは上手く調理できるかわからなかったので、家を出る直前にレンチンして運転しながら朝食として食べた。
駐車場のある奥蓼科温泉郷の渋の湯への道は大変なものだった。
車のすれ違いができないような細い道、しかも雪で道路はツルツル。
四駆じゃなければ上れないだろう道をゆっくりゆっくり上っていく。
「これは・・・!往路は上りだから良い。復路はどうなってしまうのか・・・?今からでもいい。帰りたい。」そう思いながらUターンしたくてもできない状況の中、ひたすら車を前に向かって走らせた。
7:30 渋の湯到着
湯みち街道の終点に駐車場をお借りする渋の湯がある。
ネットでの調査では先に駐車料金を払ってから車を停めるようにと書いてあったのだが、駐車場に女将さんらしき人が立っていたので、その人に払うのかな?と思って車の窓を開けて声をかけた。「すみませ・・・」と言い終わらないうちに「そこに書いてあるでしょう!声をかける前にそれを読んで!!!」と開口一番怒られた。
駐車場のフェンスにかけられた案内板の「それ」は雪がついていて読みにくかった。
まずは駐車場を通り過ぎ、奥の方の建物で受付をするらしい。
朝一で怒られたけど、「”まずは奥の建物で受付してきて”と言ったほうが時間のロスは少ないと思うんだけどな。マメな人だ。」と冷静な私は心の中で思っていた。
旅館で受付。
入ってすぐに「駐車場の受付の方は靴を脱がずに受付をしてください」と注意書きがあった。
駐車料金は1日¥1000。2日分¥2000払って証明書をもらい、車の中のよく見える所に置く。
再び車で駐車場まで戻る。
先ほどの女将さんは何事もなかったように対応している。切り替えの早い人のようだ。
トイレに行ったりアイゼンを装着したりして、8時半頃登山口を出た。
予め用意しておいた登山届を出す。
こんな感じの看板に雪が覆ってよく見えないんですよ?
いざ、白銀の世界へ。
汗をかかないよにゆっくりゆっくり登っていく。
今回はいつもより薄着で来た。それでも新陳代謝が良すぎて少し歩けばすぐに汗をかいてしまう。
汗をかきそうになると止まって休憩、ゆっくり歩く。を繰り返す。
ガスっていてよく見えないが、あの山の向こうに目指す黒百合ヒュッテはあるはず。
何年か前に白駒池の登山口から黒百合ヒュッテに行ったことがある。
あの時は7月でお昼頃黒百合ヒュッテに到着し、1時間位お昼休憩をした。
その日は日帰りで黒百合ヒュッテに行き、名物のマフィンセットを食べて帰る予定だった。
「この時間なら天狗岳にも寄って行こう」
思い付きで天狗岳(西・東の両方)に登り下山したが、休憩時間を含めずピストンで10時間かかった。
登山口に帰ってきた頃には日が沈みかけていた。
”登山での急な予定変更はしない方が良い”いつかどこかで聞いた言葉を思い出した。
いつもなら日帰り登山でもリュックに入れているヘッデンを、よりによってこの時は入れていなかったのも反省。
苦い思い出の天狗岳となった。
10時半頃 黒百合ヒュッテ到着。
小屋で受付。
テン泊は1日¥1000
水は少ないから、できれば雪を溶かして使ってねと言われた。
トイレは自由に使って良し。
ビュンビュン風が吹き荒れる中でのテント設営。
登りで会った男性に「テン泊ですか?まだ7,8人いたみたいなので、そこに設営できるといいですね!」と言われて期待をしていたが、その7,8人のテントはまだ撤収されていなかったので小屋でスコップを借りてきて雪をかいた。
昨夜から積もったであろう雪は20cm位あった。
面倒臭いのでテントと出入り口の歩く部分だけ雪かき。
テントから見える所にかけてねと言われて38番の番号札を渡されたが、幕営の際、うっかり忘れてしまったので表札のようにしてテントの近くに飾った。
設営後、あまりの強風で寒すぎるのでテントの中でお昼ご飯の用意。
チャルメラ塩味に投入したフリーズドライのラーメンの具(¥45)
具はわかめ、ニンジン、卵、キャベツ。
チャルメラ。温まる。具はわかめしか見えない。
やっぱり冬は温かい食べ物が良い。
内臓が温まったので体がぽかぽかしてきた。
ひきこもりに来たので、お昼を食べてすぐに酒盛り。3時のおやつまで待っていられない。
お馴染み、クラッカーのクリームチーズ生ハム乗せ。よくアイスを買うと付いてくる木のスプーンは凹凸がないので塗りやすい。来るときにコンビニのおじさんに欲しいとお願いしたら3本位くれた。おじさん、ありがとうございます。
オリーブとモッツァレラチーズはタッパーに必要な分だけ入れてきた。
このタッパー、底がペコペコへこむので、これが・・・
このようにコンパクトになる。
旅行に持って行ってもかさばらないので、もっと色んな大きさのが欲しい。
つまみのセッティングが終わったところでサングリアを温め直して酒盛り。
既に酔っていたらしく、サングリアの写真を撮り忘れ。
ほろ酔い気分でトイレにでも行こうと外に出た。晴れているが強風。
手前の黄色いテントが今日の私のこもり部屋。まだそんなにテントが多くない。
昨年私が目指した中山峠方面。結構な斜度。そりで遊びたい。
トイレに行ったついでに小屋の売店を見てみる。
豊富な酒の種類。サングリアはもうないし、酒を追加購入しようか悩んだ。
黒百合ヒュッテのカフェメニュー。
名物はマフィンセットとコケモモティ、おはぎ。
小屋のカフェでゆっくりしたいところだが、いかんせんコロナが怖かったのでなるべく近づかないようにしていた。感染したらわざわざテン泊にした意味もなくなってしまう。
暖冬につきスノーモンスターには程遠い・・・残念。
テントに戻っても何もすることはない。
私はひきこもる為にここまでやってきたので昼寝。
寝る前にサポートタイツを脱ぐ。
おやすみなさい。。。zzz
寝ていたら「これはフライシート、これは外張り。これは外張り・・・」というテントの近くを通ったおじさんの声で目が覚めた。
時計を見たらまだ16時。まだ2時間しか経っていない。
全然お腹なんて空いてないけどやることもないので夕食の準備をすることにした。
今夜は豚肉入り海鮮鍋。
鍋キューブ、エビ、ハマグリ、豚肉、えのき、鳥つくね、白菜、エリンギ。
エリンギ??本来ならしめじを入れたいところだが、なかったのでエリンギを入れた。しかも丸ごと。
テントの中での調理は気を使う。
長く沸騰させると結露の原因になるので吹きこぼれる前にすぐに火を止める。アク取り?そんなもの山では必要ない。
出来上がり。いただきます。
さすがにエリンギの丸ごとはかみ砕けなかった。やっぱりエリンギは切らないとだめだ。味が染みないので鍋には不向きだ。
ハマグリは口が開かなかった。冷凍しておいたのを解凍し、再び冷凍してしまったのがいけなかったのだろうか?しかし、良い出汁の役割を果たしてくれた。
再び体がぽかぽか温まってくる。
鍋の具を食べ切ったところでアルファ米を投入。
持ってきた生卵も投入。卵は頭で割ろうとすると結構痛い。今回はガスにコツコツした。
雑炊は夕飯のつもりだったが、本日は食べて寝ているだけのひきこもり生活につき腹など減っているわけもなく、タッパーに入れて明日の朝食にいただくことにした。
タッパーに入れた雑炊はいつまでも温かく、暖をとるのに最高!
食べ終わってからチョコレートを食べながら紅茶を嗜む。
「これは外張り、あれはフライシート、あれは一体型・・・」
先ほどのおじさんがまたテントの近くを通った時に話している。
しかも1時間前と同じ会話だ。
厳冬期にフライシートの奴なんかいるわけないだろ!そう思ってトイレに行くとき外に出てみたら・・・結構いた。
もうすぐ夜。
暗くなったら怖いから今のうちにトイレに行こう。
トイレに行ったついでに、切れてしまったガスを調達(¥350)zippoのガス、初めて見た。
テントに入る前、鍋に摺切り一杯雪を入れてきた。
雪を沸騰させたらどれくらいの量になるのか?理科の実験。
買ってきたガスにストーブをセットしようとしたら、プシューと物凄い勢いでガスがテントの中に充満してしまったので、火を着けたら爆発するかもしれないと思って外で沸騰させた。
雪は約半分の量になった。
そして今夜もLAKEN湯たんぽを用意して早々に寝ます。