明日は会社休みます。

仕事を続けながら休日に旅をするOLのブログです。

台風19号ボランティア

旅とは無関係だが、今後のボランティア参加する時の備忘録として。

 

台風15号で千葉県が被害を受けた時、かつて波乗りをしていた場所の為に何かしたいと思っていた。

しかし、被害の大半は停電や屋根が壊れる等、素人には何もできない状況だった為、ボランティアに行っても足手まといや渋滞を巻き起こす原因になるだろうと考え、何もできずに日々が過ぎた。

そうしているうちに今度は台風19号がやってきた。

友人T氏の帰省に合わせて谷川岳に行くことになっていたが、台風19号が去った後で、自分は無事だったからと言って遊びに行く気にもなれず、できれば山は諦めてボランティアに参加したいと考えていた1週間だった。

しかし、T氏にしてみればお金をかけて帰省した挙句、ボランティアで1日が潰れてしまうことはどう思うだろう?がっかりするかもしれない。

誘うか迷っていたが、思い切って金曜日に「山へ行くのは止めて、一緒にボランティアに行かないか?」と誘ってみた。

T氏からの返答は「そう言ってくれるのを待っていたよ。」

T氏も私をボランティアに誘いたいと思っていたらしい。

持つべきものは友達だ。長年友達をやっていて、お互いにこういう時にこそ人の役に立ちたいと、同じ気持ちでいれたことが嬉しかった。

さすがは私の選んだ友達だけあるなと、高校1年生の頃の私を褒めてあげたい。

 

10月20日(日)

朝8時にT氏を迎えに行く。

ゴーグル、マスク、ゴム手袋、雨具、スコップ、てみ、

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おにぎり、お茶を持参してボランティアの受付センターへ向かった。

黄色いガムテープに自分の名前を書いて服の上から貼ったり、持参したスコップや蓑に貼った。

受付で住所や名前を書くと、来年の3月末まで使えるというボランティア保険の証明書を受け取る。

係の方が来て10名のグループを作り、リーダーや車を出す人などを決めて、車を出す人には車の所に提示する用紙、ボランティアをする時の注意点が書かれた紙を配り説明した。

注意点で特に記憶に残ったのが

・被災地で写真を撮らない

・「ここはまだましな方ですよ」と言わない

・けがをしたらすぐにリーダーに報告

・被災した方が話しかけてきたら話を聞く

・他の事を頼まれたらボランティアセンターへ確認してから行う

・その家の人にとっては大切な思い出の品なので確認して捨てる

というようなものだった。

1時間に1回は10分程度の休憩をとり、12時から1時間お昼休憩、作業が終わっていなくても15時には切り上げ、再びボランティアセンターに集合し、全員が揃ったところで解散という流れだった。

場所の説明を受け、受付で水とタオルをもらった。飲み物も持参していたので断ろうと思ったが、くまモンの水だったのでいただいた。

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熊本の熊本通運株式会社から送られてきた水だった。さすが、大企業はやることが違う。他にも奈良県生駒市や長野県の安曇野市からも水が届いていた。

 

現場は我が家から車で15分位の場所にあった。隣町のジムに行くときに使っている道路が通行止めになったというのはツイッターの画像で確認していたが、その道からすぐのお家だった。昨日になって知ったのだが、ここで1人流されて亡くなっていた。

既に床は全部はがされており、床下にたまった泥をかき出す作業をした。

水は2.2m程の高さまでになったと言い、外の壁には水の線があった。

そのお宅の周りは田んぼになっていて、田んぼの稲や泥が入り込んできたようだった。泥は水分を含んでおり、田んぼの泥なのでとても重かった。

スコップを使ってバケツやてみに泥を集める人、泥を一輪車に乗せて運ぶ人に分かれて作業した。細かい部分はスコップは使わずに手で泥をかき出した。私とT氏が持参したてみが大変役に立った。

1時間なんてあっという間に過ぎていく。

最初の休憩の時にお家の方がリポDを配ってくださった。こんな状況の時にボランティアの人達にまで気を使わせてしまって申し訳ないなと思った。

かける言葉もなく、何かしゃべったら余計な事を言ってしまうのではないかと思ったので黙々と作業をした。

お昼は少し離れた所で食べた。

午後は主に庭の泥をかき出した。

2時頃になり、お家の方が「だいたい目途つきました、ありがとうございます。」と言って作業が終わった。

ボランティアセンターに戻り、消毒液で手を消毒し、うがい薬をもらってそのままお手洗いでうがいをした。

受付した場所に戻り、熊本から送られてきたサンポーの熊本とんこつ焼き豚カップラーメン黒と水と近くの温泉の無料券をもらって、グループ全員でお疲れ様をして解散。

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T氏と無料券で入れる温泉に向かった。受付で無料券を渡すと、「ボランティアありがとうございます」と言われた。

私は頭を洗いながら左側で体を洗っているT氏に「もう私は残りの余生は会社の為ではなく、人の為になるような事をしていきたいと思っている」と熱く語っていたら、T氏が「隣のおばさんがあなたの意見を聞いて笑っていますよ」と言ったのでハッとして振り返ると、おばさんが「若いっていいわねぇ。私はもう90で、後は死んでいくだけだわ」と言ったので、「今までの日本を築いてきてくださってありがとうございます。これからも長生きしてください。」と言わずにはいられなかった。

 

ボランティアに参加することに迷いはないが、果たしてそれは自己満足の世界ではなかろうか?と思う気持ちも少しはあった。参加するだけで自分の気持ちが晴れるだけではないのか?

実際に行ってみたらお金には代えられない、人手が足りないという現状が待っていた。今後も人手が足りない所にはボランティアに行きたいと思っている。私のような低所得者は、お金はないけど時間と体力ならある。