明日は会社休みます。

仕事を続けながら休日に旅をするOLのブログです。

セピロックオランウータンリハビリセンター@ボルネオ島 2日目

4月25日(木) 有給休暇2日目の続き

11時半からの餌やりの時間になっていなかったが、至近距離でテングザルを見る事ができたことに満足し、セピロックオランウータンリハビリセンターへ向かうことにした。

引き続きタクシーの運ちゃんは同じ人。タクシーカウンターでラブックベイ⇒セピロック⇒ホテルへ行くことを伝えてあったし、空港からラブックベイへ向かう車中でもその旨を伝えたので運ちゃんも承知の上だと思っていたが「次はどこに行く?」ととぼけた事をぬかしてきた。「セピロックオランウータン」とだけ言って私は外の景色を見ていた。日本からの長い移動で疲れていたし、空港からラブックベイへ行く途中、セピロックの看板を確認していたので安心してしまっていたのだ。

ラブックベイの方がキナバル山方面寄りだが僻地にあり、交通手段は限られている。バスやタクシーをキャッチすることはできない。それに比べセピロックには多少ホテルが点在しているので、大通りに出ればキナバル方面行のシャトルバスのバス停もある。交通の便の良さからオランウータンの近くのホテルを予約してあった。タクシーは元来た道を戻る。

 

20分程でオランウータンリハビリセンターに到着。

「この近くに私の泊まるホテルがあるんだけど、そっちで大きい荷物だけ置いて行きたいから、申し訳ないけどやっぱりホテルに向かってもらえる?」と言い、ホテル名を告げると運ちゃんも知っていたので向かった。

オランウータンから2~3分位でホテルに到着。

ランクルームに入れてあったスーツケースを出す前にRM80よこせと言ってきた。

「はい??」ムカついた私はチケットカウンターで既にRM125払ったことを言ったが、運ちゃんは「それは空港からラブックベイまでの金額だ」と言う。「ふざけんじゃねぇ!」と運ちゃんの胸ぐらを掴んでぐらぐら揺さぶった。脳内で。

異国でのタクシー運賃ぼったくりは珍しくない。しかし、それが原因で殺されたり僻地へ連れていかれたりする事件もニュースにならないだけで起こっている。

幸いにもここは僻地ではなく今晩泊まるホテルで、ロータリーには数人の人もいた。そのまま泣き寝入りはしたくなかったので「お前の言いたいことはよ~くわかった。ここで待ってろ。ホテルの従業員にこれが適正な価格なのか確認してくる。」と言ったら運ちゃんもひょこひょこ着いてきた。

受付けに向かって歩いて行くと従業員がいた。聞けばホテルのマネージャーだという。私が話すよりも早く運ちゃんがマネージャーに話しかける。マレー語で。何て言ってるのかわからないが、チケットカウンターで受け取ったレシートをマネージャーに見せている。マネージャーは怪訝な顔で運ちゃんに何か言ってる。「タクシーに乗った時間が10時頃で今は12時前なのにこの料金はおかしい」と言っているような表情だった。

マレー語がわからないので2人のやりとりを黙って見ていたが、運ちゃんのレシートを見せてもらうとラブックベイとしか記載されていない。

マネージャー曰く「R125は空港からラブックベイへの料金で、ラブックベイでは待ち時間もあったから追加料金が発生する主張している」とのこと。

マネージャーが言っても無駄だし、私から何が何でもRM80搾り取りたいのだろう。

ラブックベイのゲートでお金を払う時、ちらっと現金を持っていることを確認したような視線を感じたが、あれがいけなかったか・・・。

私は運ちゃんの言うRM80を払って人質であるスーツケースを受取った。

ランクルームには鍵がかけられていて、防犯の為の施錠だったのか人質の為の施錠だったのか聞いてやりたかった。

 

ホテルのマネージャーはぼったくりに遭った日本人を不憫に思ったのか、チェックインにはまだ早い時間だったが、ちょっと早いけど部屋に入っていいよと言ってくれた。

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もう誰も信じる事のできない私に「ここでの支払いは既に済んでいるから(予約時に支払済)もう何もお金を払わなくていいよ」と安心させようとしてくれた。

それだけ私ががっかりしていたのだろう。

プーケットでもぼったくりには遭わなかったのに・・・。

 

部屋にスーツケースを置いて、オランウータンリハビリセンターへ向かった。歩いて15分位。今の私には無垢な動物の癒しが必要だ。

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ゲートでは木彫りのオランウータンがお出迎え。

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しかし、リハビリセンターの開園時間は区切りがあり、次の14時にはまだ1時間位あった。

向い側にBORNEAN SUN BEAR CONCERVATION CENTER(日本ではマレーグマと言うが、現地ではサンベアと言うらしい)があったので、吸い寄せられるようにその施設に入って行った。RM31.80

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森の中にはトカゲや蛇がいた。一秒たりとも気が抜けない。

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森の木々の高い位置に人間が歩く通路があり、下の方にいるマレーグマを見ることができる仕組み。

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遠くにマレーグマを見る事ができる。思ったより小さい。遠すぎてスタッフに「あれは子供?」って聞いたぐらい。望遠レンズを持ってくれば良かった。3月に上野動物園で見た時の方が近くで見れたが、ここでは野生に近い環境で生態を観察できる良さがある。

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仰向けで口を開けて眠るマレーグマも見れた。手の肉球がかわいい。

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帰りに売店で大きい方の甥っ子にマレーグマのマグネットを買った。RM2.50

 

14時前になり、お腹が空いていたので昨夜買った菓子パンを食べた。タクシーでぼったくられさえしなければ園内にあるカフェで涼みながら優雅にランチでもしたいところだったが仕方ない。

 

時間になり、全ての荷物をロッカーに預ける。無料。サコッシュもダメだと言うので、カメラと財布以外は全て預けた。飲み物や食べ物なんてもってのほか。徹底している。

受付で入場料RM40とカメラ持込料RM10を払う。

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木道を歩いて1番奥にある餌やり場に到着。喉がカラカラだったので自販機で水を買った。RM3

誰もいない餌やり場に野生のカニクイザルが登場。

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時間になると続々と間舎から出てくるオランウータン。スタッフと手を繋いで出てくるオランウータンもいる。

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穴を掘って食べ物を埋める行動をするオランウータンもいた。

仲間の脚を引っ張るオランウータン

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目が合ったような気がしたオランウータン

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食べながら移動するオランウータン

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しばし観察してから帰ろうとさっき歩いてきた木道を戻っている時、前方のジャングルの葉が揺れていた。野生のカニクイザルかな?と思って驚きもしなかったが、オランウータンだったので息を飲んだ。

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こんなに近くで見れると思っていなかったのでカメラを持つ手が興奮して震えてしまった。

テングザルよりも大きい森の人は貫禄があり容易に近づけなかったが、向こうは人間など見向きもせず。通路に人がいたから手すりを歩いて行った。私のカメラに動画機能が付いていない事が悔やまれた。

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その場に居合わせた観光客はオランウータンが近くにいるとわかるとハッと息を飲み立ち尽くす。その後でカメラを構える。

動物好きの甥っ子達も連れてきたかった。

次に来るときは勝手もわかっているし、タクシーにぼったくられずに来る事もできるだろう。

森の人、オランウータン

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売店で大きい方の甥っ子にキーホルダーを買った。RM14

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ロッカーに預けた荷物を出してホテルへ向かう。

1本道の向こうから何か近づいてくる。猫であってほしい。犬も嫌いじゃないけど、野犬はやっかいだ。噛まれたら最後、狂犬病は免れないだろう。しかも私は海外保険に入っていない。困った私は犬と目線を合わせぬよう、すれ違う直前で速やかに左折した。ホテルへは直進なので左折する必要はなかったが、会社らしき建物があったので何かあったらそこに逃げ込もうと考えた。

が、建物は策の向こうにあり、外に出ている人も皆無。振り返ると15m位先にいる犬がうつろな目でこっちを見ている。

その辺に落ちている棒を拾ってホテルまでの道に戻ることにした。

通りに出るとさっきの犬はオランウータンリハビリセンター方面に向かっていた。

ほっとしてホテルまでの直進を歩く。

あとちょっとでホテルという所でまた違う野犬が現れた。

とぼとぼと歩いてくる。

咄嗟にホテルの向かいにある食堂に逃げ込んだ。

食堂のギャルに「あれはあなたのペット?」と聞いたが、ペットという単語が通じなかった。苦し紛れにペットを家族に置き換えて聞いてみた。「あれはあなたの家族?」

答えはもちろんNoだ。ギャルはけらけら笑っていた。

それなら話は早い。ペットである犬を殴るのは憚られるが、野犬ということが確認できた。襲われそうになったらこの持っている棒を振り回し、かつて取得した剣道4級の腕前を見せてやる!と殺気立った私はその場を後にした。

私の気迫に負けたのか、そもそも私に興味などなかったのかわからないが、うつろな目で犬は「今日も暑いね」と言わんばかりに通り過ぎて行った。

こうしてようやく無事ホテルに辿り着いた。

 

部屋は4人部屋のドミトリーで、室内はクーラーでキンキンに冷えていた。

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各国からやってきたギャルズがいたのでそれぞれ自己紹介する。

カリフォルニア、エクアドル、イギリス、日本。

日本人だと言うとたちまち笑顔になってくれるのは少し嬉しい。どこの国へ行っても日本の名に恥じないような行いをしてきた先人たちの賜物である。私も見習いたい。

シャワーを浴びて手洗いで洗濯をし、時間が余ったのでレセプションに行ったら猫がいっぱいいたので写真を撮ったりした。

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受付の20歳の女の子が話しかけてきて、しばし会話をしていたらこのホテル発着のツアーが結構いっぱいあるらしいことがわかった。行きたいけど、明朝キナバル山へ向かわなければならない。野生生物に会えるリバークルーズやウミガメが見れる島などもあるらしい。時間があれば参加したかった。

そして「なんかいい香りするね!」と言われたのだが、香水やデオドラントスプレーなど持ってきていなかったので多分シャンプーかなぁ?と思った。いつか泊まった東京のラグジュアリーなホテルのアメニティーだ。資生堂のやつ。こっちに来たらスーパーで安いシャンプーを買って帰ろうと思っていたから、使いかけだったけどシャンプーとコンディショナーを彼女にあげたら喜んでいた。

翌日のキナバルは山だから物価が高いかも・・・と思って、ホテルの売店で小さいシャンプー(RM5)とコンディショナーを買った。

レストランと売店がある棟

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コンディショナーと思って買ったそれはリンスインシャンプー(RM4)だったので、翌日の私は物凄い泡立ちにびっくりすることになった。

 

7時からの夕飯はホテルのレストランで。

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周りに何もないと思ったので、ホテルの予約とは別の日に後からディナーだけ予約した。RM21(¥581)

トロピカルフルーツミックスジュースとサラダ、スープ、ナシゴレン、デザート(スイカ)コーヒー。

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メインは何種類もある中から選べるようになっていた。fish&chipsと迷ったが、米を食べないと力が出ないと思いナシゴレンにしたけど、量が多くて最後のコーヒーは飲まずに部屋に戻ってきた。

部屋へ戻る途中の外階段に猫が大人しくしていたので嬉しびっくりした。

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猫が平和なら世界も平和のような気がする。明日も会いに来てねと言って別れる。

 

同室のギャルズはホテル外のレストランに食事に出かけたのか、誰もいなかった。

暑くて汗をかいていたので、寝る前にもう一度シャワーを浴びて部屋に戻るとイギリスのギャルがベッドの上で動画を観ていた。

明朝は早起きしなければならないのでもう寝るね、おやすみと言って寝た。

ホテルにはドライヤーがなかったので髪が半乾きだったし、キンキンに冷えた室内で眠ったら山に登る前に風邪を引いてしまうと思ったので、寝る前にウルトラライトダウンジャケットとフリースを枕元に置いて寝た。

夜中は誰かがクーラーを入れたり消したりしてくれたようで、熱かったり寒かったりした。寒いときにはダウンを着て、暑い時にはダウンを脱いで寝た。