しらびそ小屋@長野県
2015年12月
年末の忙しい時に大掃除もせず家出をした。出家ではない。家出だ。
街は慌ただしく人が多いので、静かに過ごせる山へ向かった。
突然の家出だったので用意もしていなかったのだが、そもそも家出とはそんなものだ。
寝袋、テント、食料などを持って行くなんて、なんて健気な家出だろうか。
よし!本澤温泉に行こう!
11:00 稲子湯到着 駐車場には車が3台ほどしか止まっていなかった。
2日分の駐車料金(¥1200)を払いに行った時に、受付のおじさんに登山道の様子を尋ねたら、雪が少ないからスノーシューはいらないよと言われたので、アイゼンだけ持ってく。
「今から本澤温泉に行くのはどう思いますか?やめた方がいいでしょうか?」と聞いたら「う~ん、やめた方がいいかもね~」と言われたので、素直に手前のしらびそ小屋にゴールを設定。
11:30 稲子湯出発
トイレに行ったり登山計画書を書いたりしているとあっという間に30分位経っている。
雪の少ない年だった。厳冬期と言うには雪が少なすぎる。
13:30 こまどり沢到着
こまどり沢には腰掛けるのにちょうど良い丸太がいっぱいあるので、いつも少し長めの休憩を取る。
あともう少し。
しらびそ小屋までの道で、私が一番好きなポイント。
14:00 しらびそ小屋到着
テン泊代(¥700)を支払いに行く。水は無料。
みどり池と天狗岳
テントを設営してコーヒー(¥500)を飲んでいたら、年末年始に小屋のお手伝いをしているという和歌山から来た女性と話が弾んだ。
小屋のご主人や奥様も話に交じって、はじめまして同士なのに家族みたいなひと時を過ごした。
テントを設営した後、水をもらいに小屋に行くと、ちょうど天狗岳から下山した2人組の男性が戻ってきた。
今夜はしらびそ小屋に泊まるらしい。本日の山小屋はこの2人だけらしく、テン泊も私だけという事を山小屋のご主人に聞かされた。
しばらく山の話で盛り上がった。
27歳だという男性は東北の方で(山形とか岩手とか言っていたような・・・)、見れば見るほど俳優の三浦春馬にそっくりだった。本人じゃないかと思ったが、顎にある黒子がなかった。好青年だったので、それ以来三浦春馬をTVで見るのが好きになった。今までは何とも思っていなかったのに。
ぽつねん。本日の幕営地は貸切。
夕方になって暗くなる前に夕飯を食べたはずだが、何を食べたのかさっぱり覚えていない。
暗くなる前にトイレに行って、湯たんぽをセッティングして、寝たのは19時頃だったような気がする。外は風が強く、ヘリの轟音も聞こえた。
その後、2回位起きて湯たんぽの湯を温め直した。
夜中にテントの周りの雪を「ざくっざくっ」と踏む音が聞こえたような気がして怖かった。
寒さにより携帯のバッテリーが切れてしまい、アラームが鳴らなかった。
朝食を食べてテントを撤収し小屋に挨拶に行くと、昨日の2人がストーブにあたってコーヒーを飲んでいた。
小屋のご主人が「まぁ、まぁ、座って」と言ってくれて、コーヒーをごちそうしてくれた。
8:00 しらびそ小屋出発
レインウェアに降ってきた雪の結晶
倒木に積もったふかふかの雪
下りでは何組かのパーティーとすれ違った。
登りの人達にはだいたい「あと何分位でしらびそ小屋に着きますか?」と言われた。
登山をする人達の肩の荷が少しは軽くなるだろうかと思い、真っ白な雪の上に小枝を使ってメッセージを残した。
9:20 稲子湯到着
普段は賑やかなしらびそ小屋だが、だいたいの人は年末年始に山で過ごす為なのか、年始の直前に行けば人も少なく、本来の山の姿に身を置く事ができる。
そういう時を狙って山に行くのが何より楽しい。